おみまい堂書店物語
本好き看護師がつくった本屋さんです。人生に寄りそう本を毎日届けます。
ホンのつぶやき

まるがめ 記憶を辿る‟本屋遺産”巡り

香川県の丸亀市に、通町(とおりちょう)という商店街があり、
その中に、もう何十年も営業していた『宮脇書店 丸亀店』があったが、去年の春に閉店したと聞いたので、今頃?ではあるが行ってみた。


行ってみると情報通り、看板だけを残したままシャッターは閉められていた。

おみまい堂店長が中学~高校時代は、学校帰りに立ち寄るのが日課で、青春の思い出の本屋だったのに・・・。
またひとつ、思い出の本屋さんが消えたのは、時代の流れとはいえ、やっぱりなんだか寂しい・・・。

この宮脇書店。
香川県の高松市に総本店を置く、全国チェーンの本屋だが、こんな巨大チェーンの書店すらもも、少しずつ撤退しているという書店業界の現実・・・。

先日、ことひら支店も閉店し、今は更地になっていると聞いた。
最盛期は、この丸亀市内には、この宮脇書店だけで3店舗あったのに。

思えば、昔ってもっと本屋ってあったよな・・・。
そして、「あの本屋ってどうなったんだろう」と急に思い立ち、思い出の中にある本屋さんを巡ってみることにした。

記憶をたどりながら、まずは、この通町につながる、いくつかの商店街の中にあった本屋を訪ねてみた・・・。

富屋町という通りにあった「今井書店」はマンションに。
本町という通りにあった「五月書房」は駐車場になり、跡形もない状態だった。

そんな中、唯一、店だったという形跡が残っていたのは、通町北の入り口すぐにあった「雄峰堂書店」のみであった。なんとか読み取れる程度ではあったが、店舗の上部に屋号のはがし跡がうっすらと残っていた。


ついでに、商店街を離れ郊外にも足を運んでみた。


名前は忘れたけど古本屋さんだった場所。

テントがかろうじて残り、店だったという形跡はあるが、ここが古本屋だったということを知っている人も、もう少なくなったんだろうな。

確か、黒縁眼鏡をした、映画「オールウェイズ~三丁目の夕日」の吉岡秀隆のような風貌の、文学通に見える40代のおじさんが店主で、サラリーマンを辞めて先代からの店を継いだって、立ち聞きした記憶が・・・。

あの店主さんは、今、何してるんだろう・・・。
店を閉めた後、どうしたんだろう・・・。

ふと、そんなことが気になった。

続いて、その同じ通りにあった『双葉書店』

シャッターは閉まっていたが、店と屋号はそのまま残されていた。

ここは、痩せ気味の小さなおばあちゃんが一人で営んでいた、貸しマンガ屋さんで、一冊一泊50円で、漫画を貸してくれていた。

子供の目から見ていた、そのおばあちゃんは、かなり恐い存在で、店に入ると奥のレジから鋭い眼光にさらされ、それに怯えながらマンガを選んでいた記憶がある。

「あんたは、どこの子?」から始まり、

「本が汚れるから、あんまり触ったらいかん。」
「破ったり、汚したら弁償やけんな。」

など、脅し?とも思えることを言われながら借りる本屋だった(笑)

この他にも、郊外に3~4軒ほどの古本屋さんや新刊書店があったが、今はもう、その形跡すらなかった・・・。

ここ30年の間に、次々に町から本屋さんが消えていったことは、やはり寂しい。
そこそこのお店で、思い出も思い入れもあったから。

そんな中、一つだけ生き残っていた、町の本屋さんがあったので写真におさめた。
↓↓


あの頃と変わらない、昔ながらの本屋さんの佇まい。
確か、ここは学校の教科書の取次もしていたから、それで生き残ったのかもしれませんが、少しホッとして、嬉しく思えました。

そして、できるだけ続けてほしい・・・と思った。

プラス・・・

閉店した宮脇書店の何軒か先に、『まちライブラリー ブックがる』という新しい場所ができていた。





町の本屋さんは次々に消えてしまったが、時代とともに形を変え、こういう本と人が出会える場所がこれからも生まれてくるのかもしれない。

ここで誰かに、新たな思い出や出会いが生まれるんだろうなと、そして、本は、これからも、きっと誰かに必要な存在として、届くんだろうと・・・、

そんなことを思っていた。

おみまい堂書店